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平成19年度 第2回
かずさバイオテクノロジーセミナーの開催報告
期 日:平成20年1月30日(水)
場 所:オークラアカデミアパークホテル 平安の間
テーマ:環境改善からヒトの健康維持まで
 今回のセミナーは52名の参加者を得て、(財)かずさDNA研究所ヒトゲノム研究部長 小原收 氏を始めとする6名の講師から、毒物の分解や健康維持に関与するトランスポーターなどについてご紹介いただき、物質の移送のみならず、センサーや分解酵素として作用し、生物の環境耐性などで重要な役割を担っていることについてご講演をいただきました。
 また、終了後交流会を行い、名刺交換など交流を深めました。
 
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「ファイトレメディエーションを利用した油汚染土壌の改善」

中外テクノス株式会社 環境事業本部 課長

海見 悦子(かいみ えつこ)氏
主な内容
植物の根からは、糖類や有機酸など、微生物の増殖に有用な物質が分泌される。このため、植物根の周囲にはこれらを代謝する微生物が集積する。私たちが取り組んでいるファイトレメディエーションを利用した油汚染土壌の改善は、このような植物根圏に集積する微生物の力を借りて土壌の油汚染を分解・浄化する技術である。
トランスポーターが関与していると考えられる現象の応用例として、ファイトレメディエーションにおける植物根分泌物の役割に関する研究の動向と、実用化に向けた取り組みについて紹介いただいた。
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「ホウ素のトランスポーターを用いた
                  植物生育の改善について」

東京大学 生物生産工学研究センター 准教授

藤原 徹(ふじわら とおる)氏
主な内容
ホウ素が植物の必須元素であることが発見されたのは80年以上前である。ホウ素は欠乏すると、植物の新しい部分から枯れはじめ、逆に多く存在するホウ素は植物の生育を抑制する。
 しかし、ホウ素の輸送体は最近まで明らかにされていなかった。私たちはシロイヌナズナのホウ素が沢山ないと育たない変異株の原因遺伝子を調べたところ、ホウ素トランスポーターの機能の異常が原因であることを明らかにした。
 このようなトランスポーターを用いて、ホウ素が少ない条件やホウ素が多すぎるような条件でも、植物の生育を改善できることをあきらかにした。 
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「ヒオで、毒物を分解する肝臓に存在する
                  トランスポーターについて」

千葉大学大学院 薬学研究院 助教

関根 秀一(せきね しゅういち)氏
主な内容
肝臓は生体内老排泄物や薬物の代謝産物などの異物の対外への排泄に中心的な役割を担っており、毛細胆管膜に局在し胆汁流の生成に寄与するMRP2(Multidrugresistance-associated protein 2)、BSEP(Bile salt export pump)は、C型肝炎等の慢性疾患時や薬剤性肝障害等において、その輸送機能が低下し胆汁うっ滞を生じ黄疸として表在化する。
これら肝障害時に併発する胆汁うっ滞においてMRP2、BSEPの輸送機能を可逆的に制御する機構や胆汁うっ滞に対する新たな治療法の可能性について、これまでの報告や講演者等が得た成果などを紹介いただいた。
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「かずさ遺伝資源による遺伝子機能解析のスピードアップ」

財団法人かずさDNA研究所 ヒトゲノム研究部 部長

小原 收(おはら おさむ)氏
主な内容
遺伝子クローンは、もはや化学試薬と同じくらいにありふれた、そして必須の実験ツールである。1990年代にはこうした遺伝子クローン自体が異常な価値をもっていたが、今や私たちはそのような実験材料調整のためにたくさんの時間を費やすような余裕はない。近年、様々な生物種で、こうした遺伝子資源を国際的に共有化した資源として蓄積し、広く活用してもらおうとする動きが加速している。
特にヒト遺伝子材料に焦点を絞り、かずさDNA研究所も加わっている国際的な動向と更に我々がその遺伝子資源をどのように高付加価値化しようとしているかについて紹介いただいた。
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「肝不全治療に効果が期待される
       KIAA0822トランスポーター(ABCA8)について」

自治医科大学 付属病院臨床薬理センター 准教授

鶴岡 秀一(つるおか しゅういち)氏
主な内容
肝不全治療のためのバイオ人口肝臓の開発には、異物代謝能のみならず抱合型ビリルビンなどの毒性代謝物の排泄機能を持った細胞の開発が必要である。我々は抱合型ビリルビンを含む各種グルコロン酸抱合体を基質とする新規薬物輸送体を探すために、抱合型ビリルビン輸送体であるMultidrug resistance protein2に類似した塩基配列をもつcDNAをGenebankからスクリニングし、KIAA0822(のちABCA8と命名)を発見した。
卵母細胞によるこの蛋白の機能解析、抗体を用いた生体内局在など基礎的なデータとともに、これを用いたバイオ人口肝臓開発の状況についても紹介いただいた。
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「スポーツドリンクの開発とメカニズム」

大塚製薬株式会社 NC事業部千葉支店 学術担当

長濱 貴男(ながはま たかお)氏
主な内容
人間にとってからだの約60%を占める水分は、毎日欠かさず摂る物である。生理的で吸収の良い飲料を目指して、大塚製薬鰍ナは、製薬メーカーのノウハウを活かして、糖分と塩分をバランスよく含んだスポーツドリンクを開発した。その開発に伴う裏話をご紹介いただくと共に、水分吸収のメカニズムについて解説いただいた。
水分吸収を裏付けるデータとして、実際に日本からアメリカまで、飛行機を使った「旅行者血栓症」に関する実験も行ったので、この実験結果について解説いただくと共に、望ましい水分補給のタイミングについても紹介いただいた。
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