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平成18年度 第3回
かずさバイオテクノロジーセミナーの開催報告
期 日:平成19年2月27日(火)
場 所:オークラアカデミアパークホテル 平安の間
テーマ:バイオ研究を加速する最新技術
 今回のセミナーでは、69名の参加者を得て、5名の講師から、バイオ分野における研究・開発の発展を促進する最新の分析技術・機器の開発状況とそれらを利用した研究事例についてご講演いただくとともに、これら分析技術・機器に関するパネル展示も実施しました。
 
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「超高速シークエンサーを活用したゲノム解析」

(独)理化学研究所 ゲノム科学総合研究センター 上級研究員

豊田 敦 氏(とよだ あつし)氏

コメンテーター:(財)かずさDNA研究所 副所長

田畑 哲之(たばた さとし)氏
主な内容
サンガー法で高速大量処理を実現したDeNOVA-5000HT(島津製作所)
パイロシーケンス技術に基づく次世代シーケンサー・GS20 System(454 Life Sciences、ロシュ・ダイアグノスティックスより販売)の特徴、作業工程、原理と腸内細菌のゲノム解析による評価。
シーケンス解析の要望はますます高まっており、高処理能力・低コストの技術開発と大量配列データの新たな情報解析手法が必要。
●豊田氏と田畑氏の討論
豊田 最近、バクテリアだけでなくゲノムサイズのかなり大きなものについても、GS20でデータを蓄積しようというプロジェクトが動いていますが、どこまで信頼できる情報が出てくると感覚的にお考えでしょうか。

田畑 最後で示しましたようにone pathの精度は、若干、従来法に比べてよくないと感じていますが、十分な重複度(少なくとも20×程度)が取れれば問題ないと考えています。ただ、contigにならない状況のものをメタゲノム解析的に進めると問題があるかなと思います。
 付属のアセンブラーの性能は比較的高いということでしたが、50Mbのカビならば、一気に重複度を確保しアセンブラーで作成したcontigの配列に関しては信用してよいという感じでしょうか。

豊田 ミスアセンブルが全くないということはないと思いますが、出てきたデータのPhrap値40以上のところを比較した場合、99.999%に近い精度はあると思います。

田畑 反応のところで、キットを使うと価格はそう安くはないと思いますが、それをどういうふうに実際使っていくか、例えばバクテリアゲノムを読む場合それで割に合うのか、あるいはBACを読みたい時にはどのように使っていけばよいかについてはどうでしょう。

豊田 ゲノムサイズが2 Mb以下ですと、完成配列を得るまでに従来法で推し進めてもコスト的には変わらない、あるいは時間的にもそれほど大きく変わらないと感じています。BACについてはクローンごとに行うこともできますが、鋳型の調製がその都度必要になるので、手間は従来法と変わらなくなります。ですから、BACでもミックスしてまとめてやるという場合は有用だと思います。

田畑 ということは、ある程度のデータ量を確保する場合にメリットが出てくるということでしょうか。

豊田 そうですね。

田畑 GS20以外のタイプのシーケンサーが市場に出てきつつありますが、それについて何か情報はお持ちでしょうか。

豊田 Solexaのシーケンサーについてお話したかったのですが、なかなか情報が入ってきません。近く納品されるので機会があればお話したいと思います。

田畑 私自身はGS20のデータを直接扱ったことがないのですが、印象としては、数は出るけれど精度はよくなく読める配列も短いので、やや懐疑的に感じています。また、データの性質がサンガー法と全く違うので、サンガーの代替機というより全く違う用途の機械と理解していますが、このあたりについてはいかがでしょうか。リシークエンシングに使うとか。

豊田 リシークエンシングの要望に対しては、今後それに対応する機器がどんどん出てくるのではないかと思います。精度が高くなおかつスループットの高い機器は私も期待しているところです。

田畑 それは今後マーケットに出てくると言われているものの中にありそうですか。

豊田 ABIのSOLiDに期待しています。
「フリューダイムの集積流体回路とその応用」

フリューダイム(株)セールス&マーケティング マネージャー

福島 敬(ふくしま たかし)氏
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主な内容
反応の極微量化により大規模で複雑な並列バイオプロセスを可能にした集積流体回路(IFC: Integrated Fluidic Circuit)技術。
IFC技術の応用
1) 蛋白質結晶化スクリーニング
2) 遺伝子発現定量
3) SNPジェノタイピング
4) 核酸の絶対定量/微量遺伝子変異の検出
  (デジタルアレイ)
5) 蛍光免疫アッセイ
「食生産の品質評価の新たな潮流〜DHPLC法とバイオパターンセンシング」

日環科学(株)取締役COO

森 健一(もり けんいち)氏
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主な内容
食の生産現場で品質の評価・向上につながる低コストの分析法の開発が求められている。
試料中の微生物群の遺伝的多様性(DHPLC法:変性高速液体クロマトグラフィー)や化学物質の組成をパターン情報として抽出し、統計解析を行う新手法(バイオパターンセンシング:BPS)により、豚糞から子豚の成育品質を評価する技術を開発。
BPSは食品全般の品質管理・評価、呈味性解析に応用可能。
「生細胞へのダメージレスソーティングを目指す新しいフローサイトメーター」

古河電気工業(株)第一生産技術開発センター バイオデバイス開発グループ マネージャー

徐 傑(じょ けつ)氏
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主な内容
蓄積された光関連技術を応用し、再生医療のための幹細胞研究に寄与することを目指す。
従来のソーティング装置は、フローセル中の高水圧、超音波による液滴形成、電荷によるソーティングのため、細胞の生存率が低い。
光ファイバー技術により、蛍光、散乱光に加え透過光測定を可能にするとともに、高精度の流速制御による無液滴ソーティングを実現したフローサイトメーター(PERFLOW)を開発。発売開始。
「質量分析を用いた生体組織イメージング」

(株)島津製作所 分析計測事業部 ライフサイエンス研究所 主任

古田 大(ふるた まさる)氏
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主な内容
質量分析法(MS)を組織切片に適用し、特定物質の分布を視覚化するMSイメージングが注目されている。
組織切片へのマトリクス添加装置(ケミカルプリンタ)と高効率・高精度MALDI-TOF-MS(AXIMA-QIT)を用いたイメージング・プロファイリング。
顕微鏡観察したその場で微小領域に存在する分子を同定できる顕微質量分析装置の開発に向けて取組んでいる。
パネル展示
・ロシュ・ダイアグノスティックス(株):Genome Sequencer 20 System
・(株)島津製作所:大量処理型BioMEMS DNA シーケンサ DeNOVA-5000HT
         生体組織イメージング用前処理装置 ケミカルプリンタ CHIP-1000
・フリューダイム(株):フリューダイムの集積流体回路
・日環科学(株):有機生産品質モニタリングシステム「バイオ・トレース」
・古河電気工業(株):ダメージレスセルソーター
・(独)製品評価技術基盤機構
・(財)かずさDNA研究所
・ネットワーク会員企業
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