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会員企業のご紹介〈株式会社モリテックス 〉
 株式会社モリテックス(以下、モリテックス)は、光ファイバ、マシンビジョン、光学レンズ、バイオ等の技術をコアとした精密光学機器メーカーで、ハイテク産業を支える多彩なキーデバイスやシステムを開発・販売しています。
次期のコア事業として注力しているバイオ関連事業を中心に、横浜テクニカルセンターで、TM事業本部の佐藤裕幸バイオサイエンス営業部長にお話を伺いました。
貴社は、多彩な事業を展開していますが、その内容や基盤技術を教えていただけますか?
 モリテックスのメインの技術は光ファイバを中心とする精密光学技術です。売り上げの70〜80%を占めています。
 バイオ関連事業は当社内において、新しい事業分野であり、もともとある光学、計測、制御技術を利用した理化学研究機器の製造販売部門と、遺伝子、蛋白、糖鎖等を解析するウェットバイオ研究機器の製造販売及び研究受託業務を取り組んでおります。

<光応用機器事業>
 光ファイバは、半導体、液晶のメーカーの設備、製造装置に、部材として使用してもらっています。工業用顕微鏡、内視鏡等にも安価で簡単に使える製品を作っています。
 一般消費者の目に触れるものとして、お肌の表面の診断をするコスメティック関連機器があります。国内の化粧品メーカーでのシェアはOEMを含め8〜9割で、海外からも大口受注を受けています。現在、この分野では海外展開を加速しています。
 また、光通信用の製造機器および部品を製造しています。通信用光モジュール、レンズ・フィルタなどですが、最近では、通信用途以外として分析機器の小型モジュール化等に採用されるなど、バイオ分野にも横展開しています。例えば、小型蛍光検出装置の開発には、石川県工業試験場や国立大学法人北陸先端科学技術大学院大学と共同で当たりました。

<機能性材料事業>
 すべて海外製品で、色々な精密部品・材料の輸入・販売をしています。液クロポンプのプランジャーに使われるシール材は米国製品の日本代理店となっています。標準粒子(20nm〜)は、主に血液分析機器のキャリブレーション用に多く使用頂いていますが、最近では、MEMSなどの研究にも利用されています。例えば、異なる波長の蛍光粒子をチップ内に流し、途中のミキシングの状態観察を行うマイクロ流量の観察用途などです。

<バイオ関連事業>
 バイオ関連事業については、1992年に味の素(株)さんより、分析資料前処理装置の製造・販売権の移管を受けたのがきっかけです。主としてラボラトリオートメーションというコンセプトで現在に至っています。
 まず理化学機器分野につきましては、コンビナトリアル・ケミストリが米国から入ってきた際に、関西の製薬メーカーさんと液相合成装置の開発を始め、その流れで、現在は、化合物精製装置を開発し国内で多く使っていただいております。液クロ感覚で使用して頂き好評です。開発したきっかけは、合成装置により多数の化合物ができたのですが、精製工程がボトルネックとなり、まずカラムを順番に20検体を交換しながら精製する装置を開発、その後マルチチャンネル(8ch)タイプを開発したところ、大手製薬に受け入れられました。
 現在では、2ch、1chの2機種を作っていまして、製薬・化学メーカーは勿論、最近ではアカデミア研究機関でも、利用いただいています。ポンプはダブルプランジャを使用しているので、競合メーカーより精度が良く、また液クロ精製よりもサンプル量多く、精製時間も短いので、今後多くの分野で使用できると考えています。その為に、カラムのラインナップを随時開発しています。
 また、食品残留農薬等の分析前処理装置をこの春には市場に出せる予定で、現在大手食品会社と共同でデータ取りをしています。
 ダイオキシン、PCB等の分析前処理の濃縮装置には、光センサーを利用し、濃縮工程中に乾固させないよう液量を微量で止める工夫も装置に組み込んでいます。また、メーカーユーザー用途に合わせたOEM開発も手掛けています。
バイオ関連事業では、どのように新製品の研究開発に取り組んでいますか?
 遺伝子、たんぱく質,糖鎖等の最近の創薬研究、病態診断の最先端部門を支援する基礎的な研究機器の開発と、それらの解析作業の受託です。横浜あざみ野のテクニカルセンター内に組織されたTM事業本部ナノ・バイオサイエンス研究所を中心に開発を進めています。
 昨年から米国Ilumina社のチップを使ったDNA発現解析、SNPs解析をスタートしました。お客さんは国内の大学や研究機関に次第に広がっています。このテクニカルセンター内に、GLP対応によるラボがこの春完成する予定で、ここでPGx治験などの受託解析事業もやって行く予定です。
 機器開発については、数ヶ月以内にいよいよ(独)産業技術総合研究所と共同開発した糖鎖プロファイラーを市場に出します。液相中で糖鎖の構造をプロファイルできるこれまでにない装置で、近い将来は海外にも出したいと考えています。すでに国内の研究機関や国内海外の創薬メーカーから引き合いが来ています。このように、糖鎖解析は(独)産業技術総合研究所の協力のもとに進めていく予定です。
 この他に、(独)理化学研究所さんと抗原抗体反応自動測定器、石川県工業試験場と小型蛍光検出装置の開発、更に来年度予算次第ですが、いくつか大学等と共同開発する案もあり、課題は豊富です。研究開発に取り組んでいく予定です。
(株)ジェネティックラボさんとの業務提携について教えていただけますか?
 一昨年秋に、PGx治験事業を検討している中で、お互いのねらいが合って業務提携となりました。
(株)ジェネティックラボさんは、早くから遺伝子関連研究を手がけている北海道大発のベンチャーで、臨床系受託解析などの専門的ノウハウを持っていますし、モリテックスは機器製造、販路面で力を持っています。また、(株)ジェネティックラボさんの持つAffymetrix社のシステムと、モリテックスのIlumina社のシステムを統合し、お互いに補完できると考えたからです。
今後の事業目標はどのようにお考えですか?
 私たちのTM事業本部のTMは、Tomorrow MORITEXという意味です。
今は社内でのウエイトがまだ小さいですが、いつまでもTomorrowでいるわけにはいきません。早く当社を支える事業に発展させたいです。当社の生い立ちから精密機器創りには自信がありますが、バイオの場合、機器開発はアプリケーションづくりが特に大きな課題といえそうです。
 バイオ産業は最終的にはグローバルな市場で通用するか否かです。しかしわれわれバイオの機器開発・受託業務業界は、一般的にいってまだ幼少期にあります。国からいろいろな制度を通じて応援を受けておりますが、われわれにとって今欲しいものは、技術開発の支援だけでなく、これを使ってくれる大きな市場の存在です。長時間かけてせっかく良いものを開発することができても、身近な国内の市場が小さければ産業はなかなか育っていきません。その観点からの公的支援をもっともっと期待しています。
お忙しいところありがとうございました。
上場企業のモリテックスでも、バイオ事業の業績拡大には苦心されているそうである。インタビューを通じ、エビデンスのある良質な国産技術・製品がスムーズに国内外に受け入れられやすいシステムづくりが必要だと再認識しました。
(取材日:平成19年2月8日)
【株式会社 モリテックス】
○本社:東京都渋谷区神宮前3−1−14
○横浜テクニカルセンターTM事業本部バイオサイエンス営業部:横浜市青葉区あざみ野南1-3-3
 TEL:045-913-5808 FAX:045-913-5802
○URL:http://www.moritex.co.jp/
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