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会員企業のご紹介〈マグナビート株式会社  〉
 現在、期待されているバイオテクノロジー融合領域のひとつに、ナノテクノロジーが挙げられています。その中で、磁気ビーズは、アッセイ、臨床診断薬、治療薬の開発ツールとして注目されています。
 国内のリーディング・カンパニーであるマグナビート(株)の大西社長様に研究開発の状況をお伺いしました。
磁気ビーズの特徴は何でしょうか?
 これまで、微生物や動植物の特定遺伝子の定量や、食用動物の疾病や品質の判定、テーラーメイド医療に欠かせないSNP(一塩基多型)の解析には、知財に防衛された国外技術の利用が不可欠で、事業に用いる場合には多額の特許使用料が必要となるため、国産技術の確立が切望されていました。
 磁気ビーズは、カラムに詰めることなく、バッチで処理でき、自動化できるメリットがあります。多検体をハイスループット・スクリーニングするためには、非磁性のモノは具合が悪い。磁性のあるモノを磁石で簡単に集めることが作業の全自動化に向いています
多くの磁気ビーズが市販されている中で、競合他者をどのようにお考えですか?
 2〜3ミクロンの市販されている磁気ビーズと比較して、その水に対する分散性、感度、選択性のすべてにおいてTherma-Maxはより高機能化を達成しています。磁気ビーズの年間売り上げは百数十億円と見ています。ほとんど海外の会社です。
御社の製品、熱応答性磁性ナノ粒子(商品名:Therma-Max)の特徴は何でしょうか?
 日本で初めての製品といえます。簡単に言えば、ミクロンの磁気ビーズを、ナノレベルまで小さくしただけです。細かくすると何が良いかというと、単位体積当たりの表面積が広くなり、たくさんの抗体やDNAが乗せられるわけで、感度が約10倍上げられます。ただ、ひとつ工夫しているのは、どの会社も小さくすることを目指していますが、あまり小さくしすぎると、磁気分離がかからなくなります。飽和磁化が小さくなることと、水のブラウン運動の影響を強く受けるためです。
 そこで、熱応答性磁気分離法を開発しました。約90nmの磁性ナノ粒子の表面に熱応答性高分子を固定することで、細かいナノ粒子を磁石でダイレクトに、簡単に集められることが可能になりました。この高分子はわずかな温度変化で、全体が瞬時に凝集し、3μm程度の大きさになり、ブラウン運動を受けず磁石で釣れます。しかも、熱応答性は可逆的で、温度を上げると集まり、下げると再分離します。凝集温度も弊社で自由に設定可能です。
 高分子に抗体等目的物質に結合するリガンドを付ければ製品ができます。
温度変化で分散、凝集を繰返す
Therma-Max(R)
○動画でご紹介します
(マグナビート社提供)→動画配信

動画をご覧になるにはウインドウズメディアプレイヤーが必要です。
インストールされていない方は右記サイトよりダウンロードしてください。

Windows Media Player DOWNLOAD
研究者の色々なニーズに応えることはできますか?
 転移温度を設定するだけで、お客様のニーズに合った商品を製造できます。現在の製品は、温度を上げて凝集させるタイプですが、来年度は、温度を下げて凝集させるタイプのTherma-Maxを上市予定です。免疫診断や遺伝子診断での応用を民間企業数社と共同開発しており、高感度化により、数年後には次世代診断法として提案したいと思っています。
他社の競合製品と比較し、凝集する際の非特異物質の選択性や溶媒耐性はどうでしょうか?
 市販ビーズに比べて処理時間短く、選択性、感度が高いのが特徴です。磁気分離のいらだち感がありません。診断やサービスシークエンスに最適です。吸着量は150μg/mgで他社の5〜10倍です。非特異物質の吸着を防ぐため、表面のコートを工夫し疎水相互作用を押さえています。また、再分散ができるので中に抱え込んだ場合は、反対の温度を加え放出する操作もできます。溶媒は水系ですが、有機溶媒を添加する場合は個々に相談させていただいております。
本社は神戸大学、事業所はチッソ石油化学(株)と分かれていますが、
具体的に研究開発はどのようにされていますか?
 弊社はチッソ(株)と神戸大学との産学ジョイントベンチャーで、現在、ほとんどの研究開発はここ(五井研究所)で行っています。
 1996年、NEDOの独創的高機能材料創世技術プロジェクト(刺激応答材料の開発)に出向参画したのが始まりで、その後2000年に近藤取締役(神戸大学工学部教授)と共同研究をスタートしました。
 磁気ビーズに取り組んだきっかけは、O157の免疫診断に磁気ビーズを応用していること、しかもその診断薬が高価なことを知り研究を始め、産学連携プロジェクトを経て今の基礎を作りました。
 2005年に会社を作ることができました。この間、ひとつの製品化(Therma-Max)をするまでが大変でした。研究員は当初3〜4名でしたが、現在10数名で当たっています。研究開発は、私とCSOの近藤取締役(神戸大学・教授)が中心となり、大学・企業を含め20数社と共同で進めております。
製品の販売は順調ですか?
 売り上げは順調で、右肩上がりですが、それに伴う人件費、固定費がかさみ大変です。来期には、全員にご飯を食べさせられるよう頑張っています。
 販路は2006年6月、住商ファーマインターナショナル株式会社と海外での業務委託契約、7月、和光純薬工業株式会社と日本国内での販売契約をそれぞれ締結したところですが、現在の取引は国内だけです。
 和光純薬工業株式会社とは、本年、海外での販売契約も締結する予定です。
新たな製品開発を含め今後の目標をどのようにお考えでしょうか?
 早い段階で、自立採算できるように現在の製品売り上げを伸ばし、当面の目標を10億円と考えております。将来的には、上場もしたいです。
 診断薬の開発では通常数百万検体を処理しておりますが、診断薬メーカー、器械メーカーとタイアップして、Therma-Maxも組み込める全自動・ハイスループット・スクリーニング装置の開発を目指します。私どものビーズは温度応答性のため、汎用化するためには温度可変の組み込みを工夫する必要があります。
 現在の商品数はAvidin他5つですが、年内に20品種くらい、今後は温度を下げて凝集するタイプの販売も予定しております。
 磁気ビーズに関する基本特許を日本、PCTに登録し、技術基盤を確保していることから、メーカーと協働しての診断薬、DDS開発への強い意欲を感じられました。
 かずさバイオベンチャーネットワークでは、会員企業の製品や技術の紹介とともに、製品の販路開拓・拡大を支援してまいります。
(取材日:2007年2月6日)
【マグナビート株式会社】
○本 社:〒657-8501 兵庫県神戸市灘区六甲台1丁目1番地(神戸大学内)
○事業所:〒290-8551 千葉県市原市五井海岸5番地の1(チッソ石油化学株式会社五井研究所内)
     TEL:0436-21-5127
○従業員数:11名(研究職 9名)
○URL:http://www.magnabeat.com
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