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会員企業のご紹介〈株式会社カケンジェネックス〉
 このコーナーでは、かずさバイオベンチャーネットワークの会員企業の御紹介をさせていただきます。第1回は、首都圏バイオ・ゲノムベンチャーネットワークの運営委員を務めておられる吉岡弘料社長の株式会社カケンジェネックスさんです。同社は、今年8月「DNA及びタンパク質マイクロアレイとその製造装置アレイヤー」で内閣総理大臣表彰「第1回ものづくり日本大賞」優秀賞を受賞されました。同社の概要や企業戦略などについて御紹介していただきました。
 
企業概要
 当社は昭和51年に設立、当初は塗装用の特殊な植毛を施した刷毛を製作していましたが、その後、産業用装置を手がけるようになり、箱詰めやパレタイズ装置、工業用インクジェット印字装置など顧客の幅広い要望に応じたオーダーメードの自動化装置を数多く設計し、すべて自社で製作する「ものづくり」を経営の基本として事業展開してまいりました。
photo

吉岡弘料 社長

株式会社カケンジェネックス

松戸市松飛台439−1

http://www.kakengeneqs.co.jp/
 

窒素発生装置→

 

↓ガスインジェクション装置

 その後、大手化学会社や産業用ロボットメーカーなどのOEM等を通じて、プラスチック関連装置や多軸ロボット応用システムなど幅広い分野で技術を蓄積、自社ブランドの商品を少しずつ開発してきました。現在の主力商品となっている「ガスインジェクション装置」や「窒素発生装置」、「ガスブースター」はこの時代に生まれたものです。工場も事業内容に合わせて移転を繰り返し、現在の工場は茨城、松戸、流山、松飛台と4箇所目になります。
 近年、国内製造業の中国や東南アジアなどへの生産拠点シフトが進む中で新事業を模索、培ったロボット応用技術のテクノロジーを活用し、東京大学の指導を受けバイオ分野に進出、遺伝子解析装置の開発に着手しました。平成11年に初の商品であるDNAマイクロアレイヤーを市場に送り出し、従来装置を圧倒的に凌ぐスピードと精度で評価を得て顧客を拡大してまいりました。翌年には早くも特許が成立し、現在では2件の特許を取得、3件を出願中です。
 今春には千葉県地域結集型共同研究事業「ゲノム情報を基本とした次世代先端技術開発」においてかずさDNA研究所と共同で「抗体/タンパクアレイヤー」を開発、今年8月には「DNA及びタンパク質マイクロアレイとその製造装置アレイヤー」で内閣総理大臣表彰「第1回ものづくり日本大賞」優秀賞を受賞しました。
 アレイヤー等のバイオ機器開発をメインとしながらDNAチップの開発も同時に進めてきました。研究陣をゼロから揃え、工場の一角にウエットラボを設け、さらにクラス10000のクリーンルームを建設して4台の自社製マイクロアレイヤー、コロニーピッカー、スキャナーなどを装備、人材教育面でも大学の指導や経済産業省からの専門家派遣の支援を受けながら技術研鑽を重ね、現在では免疫関連遺伝子チップなどを作製・解析するとともに多数の大学や企業研究所からの受託によるチップ作製を行っています。
近年は東京大学、東京農工大学と共同で「タンパク質解析装置」の研究開発に力を入れており、将来のゲノム創薬の一翼を担いたいと願っています。

マイクロアレイヤー

企業の経営戦略
当社は中小企業の目指すべき姿として「ニッチな分野での世界に通用するものづくり」を目指してきました。「無限の知恵でものづくり」を社訓として、従業員には常に独創性ある技術を目指すよう指導、切磋琢磨しています。現在もコア事業であるプラスチック射出成形支援システムの「ガスインジェクション装置」では窒素ガスを30MPaという超高圧に圧縮するコンプレッサーを搭載していますが、この10年間で4回、基本構造をガラリと変えた設計に挑戦し、現在の超スリムで低コストの革新的コンプレッサーを実現しています。
常に新しいものに挑戦する風土は中小企業ならではの即断即決によるところが大きいと思いますが、一方でこれまで20年以上お客様に納めてきた装置のメンテナンス、アフターサービスも当社の重要な経営マターです。当社の納めた装置は日夜休みなく稼動することが多いのですが、ときどき異音がするとか、故障が生じたとか、お客様から連絡が入りますと、その日のうちに部品を積んで車を飛ばし夜間でも修理作業をして帰ります。海外のお客様でも2日後には現地で作業をする、この機動性こそ当社の失ってはならない信頼の源と考えています。

 「ガスインジェクション装置」や「窒素発生装置」など現在の当社の主力商品が使われる分野はどちらかといえば成熟産業に属しており、次代の商品開発も急務のテーマです。バイオ事業で「タンパク質解析装置」関連を中心としていくつかの大学や企業と新商品の共同開発を進めていますが、これらの次世代商品の早期テイクオフが当社の最重要課題であり、このため持ち味を生かした提携戦略こそ当社バイオ事業の経営戦略と考えています。
一方でその間を支えるための既存事業の再構築も同時進行しなければなりません。昨年から中国、タイにターゲットを絞って海外展開を積極的に図っていますが、ここにきて少しずつ成果が顕われてきています。まだ日系企業にしか実績がありませんが、コストダウンに知恵を結集して、厳しいといわれるローカル企業にも喰いこみたいといろいろなルートを活用してチャレンジしています。また、既存商品が持つ要素技術の横展開も始めています。保有するガス圧縮技術の水素エネルギー分野への応用とか、精密制御技術を生かしたバイオチップなどやるべきテーマは山積しています。

 メカトロニクス技術を核にバイオ分野への深耕、海外市場への参入などベンチャー精神を忘れず挑戦し続けます。
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